文法の教科書を使って授業をしていますか。文法の問題集を使って授業をしていますか。多くの場合、文法の解説は退屈なものになりがちで、文法の問題集の授業は単なる答え合わせになりがちでしょう。(文法の解説を「感じる英文法!」とかでオモシロクする方法はあると思いますが、それは今回は放っておいて、答え合わせをオモシロクする方法を提案します。
それは答えを言わせる生徒・学生に、テキストを見せずに答えさせる。ただそれだけです。
たとえば次のような問題があったとします。
274 The teacher told some students ( ) had made mistakes in their spelling to remain after class.
① which ② who ③ whom ④ whose
ダメな授業は次のように進むでしょう:
教師:次、274番。佐藤。
佐藤くん: ②
教師:そうだな。
もうすこしマシな授業なら次のようでしょう:
教師:次、274番。佐藤、正解を入れて音読してみろ。
佐藤くん:The teacher told some students who had made mistakes in their spelling to remain after class.
教師:そうだな。
しかしこれでもまだ退屈かと思います。そこで次のようにしてみましょう:
教師:次、274番。佐藤、立って向こうを向け。
(佐藤くん、起立して教室の後ろを向く。)
教師:何も見ずに繰り返せよ。The teacher told some students
佐藤くん: The teacher told some students
教師: had made mistakes in their spelling
佐藤くん:had made mistakes in their spelling
教師:to remain after class
佐藤くん: to remain after class
教師:空欄に入るのは?
佐藤くん:who
教師:そうだな。じゃあ全部一気に言ってみろ。The teacher told some students who had made mistakes in their spelling to remain after class.
佐藤くん:The teacher told some students . . .who had made mistakes in their spelling. . . to remain after class.
要は、指名した生徒にやらせることのハードルを上げるということです。単調な文法問題でも、単に見ないでその文を言うことにするだけで、ずいぶんチャレンジングになります。上の最後の、一気に言うステージは現実的でないなら省略しても構いません。目の前の生徒にちょうどいいレベル(=頑張ればクリアできるが、頑張らないとクリアできないレベル)になるようハードルを調整しましょう。
ひとしきり一対多でやったあと、ペアワークで同じことをやらせても教室は活気づきます。
これで文法授業でも寝る生徒はいなくなります。