英語を30年教えていても、毎年毎年あらたな「気づき」というのも、どういうわけかあるもので、ここのところの私の中での最大の気づきは「あいまい母音schwaを教えることの大切さ」の再確認です。
もちろん以前から大切さはわかっていましたが、ここにきて、それが音声面に関して日本人の英語が英語っぽくない最大の原因のひとつであり、機能語および内容語の弱音節のschwaができないから、それ以外の強い音節の音が「目立たず」、結果的にどこが意味の焦点なのか、何が言いたいのかが、非常にわかりにくくなってしまうのだ、というのがさらに強く感じられてきました。
過去におしえた生徒たちにも学生たちにも、もっともっとそのことを教えてやるべきだったなあ、と思います。が、それを言ってもしかたないので、今の学生には、bad
と bud の母音の違いと同じくらいの力点をおいて、object (名)と
object(動)の、oの部分の音の違いを言い続けようと思います。
もうひとつは、英語の音節の「強さ」はかなりの部分が「高さ」と「長さ」による、という気づきです。だから、
object(名)は、東京アクセントの、「箸」
object(動)は東京アクセントの、「橋」
とパラレルと考えられる、ということを利用して、あらたな指導方法が見えてきました。
たとえば、
I think so.
は
日本語の「おもう」と同じアクセントだよ、というような指導表現です。