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2/29/2012

th と v  は紙一重

ある中学の先生から、

授業で扱おうと思っている歌の歌詞に含まれる another が、どうしても another に聞こえず、むしろ an of a のように聞こえる。つまり、thの音が v に聞こえるんですが確かめていただけませんか

という質問をもらいました。

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回答:

その歌のその単語は、私にはthに聞こえました。ですが、これがVに聞こえても悩む必要はありません。

それはいい指導ポイントなんです。

つまり、

voice less th と、 f

voiced th と v

は、音響音声学的にも非常に近い、音だからです。

調音方法を考えてみても、両方とも、前歯という硬い物体に、唇、あるいは舌、という柔らかい物体を同じように軽くおしつけて、そこで摩擦を出して作る音、です。

似ていて当たり前なのです。

耳にそう聞こえるだけでなく、スペクトログラムを見ても、見た目にもかなり近いです。

そして、電話(高い周波数はカットされる)では、聞き間違いが多いことが知られています。

たとえば、生徒に、

fの音で、thank you (つまり fank you)

v の音で、 without (つまり  wivout)

と言ってみて、かなり近いのだ、ということを実感させるといいです。

つまり生徒に言ってやるべき教訓は、

THの音は君たちがやりがちな、ZとかSとは似ても似つかない。むしろ、V や F に近い。そう思って発音しろ。

また逆も真で、Vの音は君たちがやりがちな、Bとはまったく違う。むしろ、THに近い。そう思って発音しろ。

(Vに関しては Wに濁点をつけたようなイメージ、も必要ですが)

ということだと思います。