きょうは米軍基地の街、岩国で講演(公演)だったのですが、いくつか面白いことがありました。
最初の1時間弱くらいは、
「私は他人の授業を見たくない。なぜなら見れば90%以上、嫌な気持ちになり、いたたまれなくなり、耳を塞ぎたくなるからだ。それはあなたたち教師が、生徒のダメダメ英語を聞いても英語自体の指導をすることが一切無く、無意味に OK! Thank you! Great! というばかりだからだ。」
という話をしました。で、そこで、ここまで聞いて何か質問とか反論とかありませんか、とフロアに振ったところ、手が上がり、
「(言いたいことはわかったがお前が)実際にどういう指導をするのか見てみたいから、この場で、俺たち全員を生徒にみたてて、模擬授業をやってくれないか?」
というchallengeが来たので、
「じゃあ先生を生徒にに見たてて音読の指導をするので、舞台に上がってください」
と言って舞台に上がってもらい、中学教科書の本文を使って、Rの指導、語末のNの指導をしながら、強弱というか高低のプロソディの指導を、ステップを踏んだり、手で波乗りを表すジェスチャーメソッドで指導デモンストレーションをしたところ、まあまあ納得してくださったようでした。
その後、懇親会に移りましたが、懇談の中でさすが岩国というか、
「自分は中2の頃から米兵と付き合いがあり、ずっとコミュニケーションはとれてきたから、これでいいと思ってきた。しかし今日の話を聞いて、自分がコミュニケーションをとれていたのは、相手が母語話者だったからで、非母語話者同士のインタラクションになるとまた別問題なのかもしれないと思った。また、自分の英語は1ユーザーとしてはこれでいいだろうが、1ティーチャーとしてはまずかったのなあ、と思った。」
という告白をしてくださった方がいました。
なるほどねえ。
基地の街ならでは、の感想ですね。