モノ申す、と言っても経済政策の中身についてではありません。
アベノミクスという用語と、そのアクセントについてです。
もともと、Reagan大統領の経済政策が、Reagan + economics で、Reaganomics レーガノミクス と呼ばれていました。
英語の先生なら分かりますが、アクセントは、ノ にあり、
レーガノミクス (あるいは、レーガナミクス)
と発音されました。なぜかというと、もとの economics が、
エコノミクス (あるいは、エカナミクス)
だからです。
エコノミクス と レーガノミクス は、カタカナ表記のの字面で見る以上に、音が似通っています。
まず、語頭の、「エ」と「レー」です。 economics の語頭には、第2アクセントがあるので、長めに発音されます。つまり、「エー」と書いても差し支えないくらいです。そうすると、
「エー」vs「レー」となり、語頭に子音の /r / があるかないか、だけ(に近い)違いです。
次に、「コ」と「ガ」の違いですが、ここはeconomics においても、Reaganomics においても、アクセントがありません。ので、母音があいまい母音 シュワ で発音されます。つまり
「ク」 vs 「グ」
となり、無声か有声か、だけの違いになります。
まとめると、
エークナミクス
と
レーグナミクス
で、「ク」「グ」の母音以降はまったく同一であり、非常にうまく韻を踏む、つまりダジャレになるわけです。
また、ナ の部分の、nは、もともと、Reagan の語尾にあったことを忘れてはなりません。
つまり、レーガノミクス は、Reagan + nomics であり、nがもともとあって共有されているのです。
では、アベノミクスはどうでしょうか?
すぐわかるように、
eco と、Abe では、母音に共通性がまったくありません。つまり、eco と Reaga のようなダジャレ性、コトバの音のおもしろさはゼロ、です。
また アベ のなかにもともと nは含まれていませんから、nomics とn を共有しているわけでなく、この点でも、おもしろさはゼロ、です。
つまり、Abenomics は、Reaganomics と違って、まったくカケコトバの面白みに欠けています。
かつ、アクセントの問題があります。
母音が違ってもせめて、
アベノミクス
と発音すればまだ少しは、エコノミクス の香りがするのですが、
現状のように、
アベノミクス
では、英語感覚的には何のことやらまったくわかりません。
さあ、だから、みなさんはせめて、アベノミクス と発音しましょう。。。
といった話を生徒にしてあげてください。そうすれば、economics の正しいアクセントイメージを覚えるかも。