速く音読すると「英語脳」が作られる..とかいう説が巷間に流布しているのだそうな..
こまったもんだねぇ..
ゆっくりまともに音読できない人間が速く読むのは絶対反対、というか、別に他人のやることに口出すつもりがないですが、そういうのをさせられる生徒は可哀想ですね。
速く音読しようとするのはよいですが、それには、すべての音をキチンと発音して、リンキングして、英語の stress-timed rhythm で読みながら、という条件つきです。
その部分をすっとばして、デタラメ発音早口音読をやって、なにか益があると思うほうがおかしいだろうが。
そういう指導を中学・高校で受けてきた犠牲者がうちの大学にもたくさん入学してきます。みな英語が得意だと思っている学生です。その擬似英語を全部 unlearn して、正しい筋肉習慣を一から learn するのですが、当然、非常に大変な作業です。本人たちも中学高校の英語授業を振り返って憤っております。そして、自分たちのような犠牲者を出さないために、自分はまともな英語教師になろう、と決意を固めます。
シャドーイングにしろ、速音読にしろ、巷に流行る「とんでも理論」にはなにか共通点がありますね。
普通の指導が満足にできない、自信のない教師の心のすきま、弱みにつけこんで、とんでもないものを売りつける、という点では、霊感商法に似ていなくもない。
音読は、まず、ゆっくり、きちんと、一音一音噛み締めながら、正確にしなさい。それができたら、徐々にスピードをあげなさい。ゆっくり読めないうちに速く読もうとするのは、100年早い!