成績は主観でつけよ
グルグル会員の皆様
成績はもうつけ終わった頃でしょうか。
中間、期末の点数を平均してそれを機械的に10段階とか、100点法にする、といった無責任なナンセンスはやめてね。
テストを25年間作った人間として断言しますが、狙い通りぴったりの平均点のテストを作る、ことはほぼ不可能です。というか、別にテストの素点の数値をありがたがる必要はまったくありません。
今回、太郎君が、あなたのテストで、73点をとったしても、もっと難しいテストなら57点だったかもしれないし、もっとやさしいテストだったら85点だったかもしれないわけで、その73という数値には特別の意味はありません。全員に同じ定数を足そうが、掛けようが、割ろうが、引こうが、意味はかわりません。
だから、生徒のテストの点数、その他、成績のためのデータすべてを睨んだうえで、あなたが、プロフェショナルとして、責任を持って、主観的な、主体的な判断を下して成績をつけなければいけません。
授業中、授業外、すべてののパフォーマンスを考えたときに、「これはぎりぎりOKのラインだ」「これはぎりぎり不合格のラインだ」という生徒がいれば、その生徒は、それぞれ、60点、61点をつけるべきです。
「これは要求をすべて満たしているレベルだ」という生徒がいれば、100点をつけるべきです。
あるいは、「ぎりぎりまあまあだ」という生徒がいれば70点をつけるべきでです。
59点をつけられた生徒が、自分はなぜ59なんだ、といってきたならば、「プロの教師として判断して、おまえのパフォーマンスはぎりぎり不合格のレベルだからだ」と言えなければいけません。それがもっともアカウンタビリティの高い答えです。
それが、本当の意味の criterion-referenced ということなんです。
そして、そのギリギリ合格の生徒を60点とし、もしいればまったく満足な生徒を100点とし、あとの生徒はかれらと比較して公平になるように、全員に同じ式
y = ax + b
を適用して、成績データを線形変換してください。詳しいやり方を忘れた人は、
http://cherryshusband.blogspot.com/2010/12/blog-post.html
をみてくださいな。
こうすると、全員の成績の分布状況(優劣の状況)は100%客観的です。もとになるデータでは、A君がB君より高いのに、成績ではB君が逆転する、ということは起こりません。全員の成績の絶対値(最低が何点なのか、平均が何点なのか、最高が何点なのか)は、100%主観的です。そしてそれは専門家としての主観です。
専門家なんだから、「オレの判断だ」と言える自信をもつべし。その自信がないなら....自信がつくまでは給料返上かな。