ドイツ語には ...ten で終わる語がたくさんありますが、その部分の /t / から /n/ にかけて鼻腔解放が使われる場合が数限りなくある、ということに気づきました。
Guten Tag! の、Guten だって、はっきり言う時は t を口腔解放していますが、自然に言う時は鼻腔解放になっている音声がたくさんあることがわかりました。そういう場合、Gutenのt で舌先が歯茎についてから、Tagのtで離れるまでずっと接触のしっぱなしです。
しかし当然のことながらそんなことが書いてあるドイツ語の教科書や参考書にはお目にかかっていません。入門書は何冊も読みましたが。
まあ英語の教科書や参考書でもそんなことが書いてある本は、音声学の専門書以外にはないのですから、いたしかたかないのですが。
でも初心者で耳がいい人は、ある時は、Guten の ten が聞こえるのに、ある時は「なくなっちゃう」のはどうしてだろう、という素朴な疑問を抱き、それが解決されないまま学習を続けることになるのでしょう。
英語教育でもドイツ語教育でも、発音教育というのは概して大雑把なんですね。