講演の部では大学生に新しく開発したテストの紹介をさせていただき、パネルディスカッションのほうでは、大学生にいかに英語力をつけるか、というテーマでパネリストが自由に発表します。私自身は、自分が大学でやっている授業をそのまま具体的に紹介するつもりです。
テストに興味がある方だけでなく、ひろく英語授業のやり方について悩んでいる方にも関係のある内容にするつもりです。
どうぞふるってご参加ください。詳細および申込みは→こちら。
私がパネルディスカッションで話す予定の内容は:
(1) 初回の授業で全員に携帯から私のPCにメールを送らせることでメールアドレスをゲットし、その後の連絡、フィードバック等に頻繁に利用する。連絡の内容は、純粋な連絡よりも、英語の内容に関するものが多い。
(2) 授業の種類を問わず、座席表を自作して座席は固定とし、可能な限り顔と名前を一致させ、授業中は名前で指名できるよう心がける。
(3) 毎授業に必ず予習シートを持参させる。予習の内容は、教材中の単語とそのストレスパタン、および英語による定義を書いたもの。および、教材の内容を英語で要約したもの、あるいは自分の意見を書いたもの。コンテント科目(英語科教育法や音声学)であれば指定した英文(100~150語程度)を手書きで書いてかつ覚えてくる。
(4) 授業は必ず(小)テストではじめる。内容は、英語授業であれば教員が単語の定義を言って学生がスペリングとストレスパタンを書く。コンテント科目であれば、暗記してきた英文を5~8分以内にすべて書く。
(5) 予習してきた単語と単語定義を使って、定義を聞いて単語を当てるペアワークを10分ほど行う。当たったら1語につき10点獲得する。
(6) 授業中の主な活動は、教材中の適当な文(5~6文程度)のグルグル活動。グルグル活動とは、指定された文を教員の目を見ながら言って適切に言えているかの判定を受ける、というもの。学生をひとりずつ判定していくが、そのあいだ他の学生は口々に口頭練習しているので時間のムダはない。合格判定が10点になり、グルグル活動(15~30分ほど)が終了した時点で獲得した点数を記録する。
(7) グルグル活動に使用する文は、極力、ストレスタイムドリズムの練習を、体を動かすことで行なってからグルグルに入る。体を動かすとは、強勢のある音節に合わせてステップを踏む、手を叩く、体をゆらす、など。
(8) グルグル活動中は極力学生に近づいて(30センチ程度)プレッシャーをかける。男子学生であれば積極的に唇を直接つまんで調音方法のコーチをする。
(9) グルグル活動に使用する文は、適宜、活動の前、あるいは後に、暗写も併用する。1文を覚えて一気に書く、というもの。書き終わったら各自、1語1点で自己採点する。
(10) 上級クラスでは、教材の録音CDを聞きながらランダムに止め、直前に言っていた内容を自分の英語で、あるいは使われた表現も用いて口頭再現する、なども適宜行う。
(11) 予習シートに書いてきた自作英文(暗記英文を除く)には授業後に目を通し、赤を入れたうえで、典型的な誤りは、書いた学生の名前と共にピックアップし、まとめて(1クラスで多くて10文程度)次の授業までに全員にbccで送っておき、予め直し方を考えさせる。フィードバックは次の授業でするが、全員立たせておいて、挙手により適切な訂正コメントをしたものから座らせ、最後に残った者には、そのころ授業中に練習しておいた歌を歌わせ(て、その場でさらに音声指導を加え)る。座れた者は10点獲得。
(12) 定期テストは基本的には行わない。毎回の授業の終わりに提出する予習シートに書き込まれたその日の獲得点数の積み重ねが、成績算定のためのデータのほぼすべてである。