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6/17/2012

繰り返させる時には理由と目標を明示せよ

昨日の講演の後に個人的に質問してきた公立高校の先生がいました

質問者:

一斉音読の時、生徒の発音がいまひとつだと思って何度も同じところを音読させていると、だんだん声が小さくなってしまい、ああ、やる気をそいでいるのかな、と思いまして悩んでいるのですが、どうしたらいいでしょうか?

回答:

それは漫然と繰り返させるからです。もういっかい繰り返させるには理由があるはずです。この単語のこの部分の発音を、どの生徒が違う音を出しているから、もういちどやり直させる、という明確な理由があるはずです。

それを告げずに、やみくもに何度も言わせれば、それは誰だって嫌になるのは当然です。どこを直して言うように、一回一回言っていますか?

質問者:

言ったほうがいいんですね?

回答:

それは当然です。それから、音読のスキルの向上がきちんと成績に反映するようなシステムを作っていないからです。できてもできなくても関係ないのでは生徒もやる気にならなくて当然です。グルグルなどを併用してそれが点数に入るようにすれば、一斉音読のときにきちんと練習しておくことに対するインセンティブになります。

もう一回言わせるときは、どこの単語のどの音が、どのようにおかしいから、どのように直すようにして、もう一回いってみろ、と明示しましょう。そして、おかしいのは誰なのか、どのあたりから聞こえてくる音なのかを明示して、「犯人探し」をきちんとしましょう。それをせずに、全体にもう一度、もう一度、では意味がないし、やる気がなくなるのは当たり前です。読経じゃないんだから。