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11/12/2011

英語教育研究大会の司会者の英語にダメだしした私

最近立て続けに英語教育研究大会に呼んでいただく機会があった。

どちらも基本的には(=簡単な部分は...)英語で行うという大会で、司会者は、若手もしくは中堅に見える英語教員が担当していた。

私は壇上でその英語を聞いているのだが、LをRで言われたり、THをZで言われたりするたびに、

アイタタタ!!

という思いを顔に出さないようにするのが一苦労である。

恥ずかしく無いのだろうか。

まあ、自分ではわからないから本人は恥ずかしくないのだろう。

事前に練習はしないのだろうか。

事前に練習して、お互いにチェックしあう、ようなことはないのだろか。

あれも、結局、

ダメ出しをしてやらないと、英語の質は変わって行かない

という生徒相手の英語授業の真実が真実であることの、悲しくも如実な証拠である。

彼ら彼女らは、生徒の時にダメ出しをされず、そのまま長じて教員となり、教員となっても誰にもダメ出しをされず、英語教育大会の司会をすることになり、大きなホールで、何百人もの聴衆に対して

とても人前(=日本以外の場面)には出せないレベルの英語を話す

ということになっているのである。

負の連環 vicious circle である。

ダメ出しをされない生徒が教師になり、また同じレベルの生徒を育て、また....と連環は続いてゆく。

先日の大会では、最後の最後に英語のアナウンスをしていた司会者の英語発音は、本当にかなりひどかった。ZAの嵐。

これが物理学研究大会かなんかだったら話は別なのだが、他ならぬ「英語教育研究大会」の司会者であるから、笑えるというか、泣けてくる。

今回の大会で、私の基調講演(というより公演?)の質疑の司会を担当していた若い教師が大ホール聴衆に向かって

Prease raise your hand ..

と言った次の瞬間、私は

「今のも、プリーズ の発音がダメなんですよ。Please ときちんと言わないと。プロの英語教員同士の集まりですから、そういうことを直しあうことができないですかね。そういう英語をお客さんである生徒の前でしゃべっていてはダメです」

と、1000人の前でコメントすることになった。

前代未聞のコメントであろう。

単に顔をツブされた、公衆の面前で恥ずかしい思いをさせられた、で終わることなく、若い彼女にはこれを機会に是非自分の英語をプロとして恥ずかしくないレベルに向上させてもらいたい、と心から願う。

それは彼女がこの先、30年以上にわたって担当する、1000人以上の生徒たちのためなのである。