全英連では高校の授業についてきちんと講評する時間がなかったので、すこしずつここに書きます。
まず特筆すべきは、あの授業は、ターゲットの文を正しく発音したものと、意図的に誤った発音をしたものを提示して、その聞き分けをさせた、公開授業としては史上初のものであろう、ということです。
その前に、iPadを使って、/ v / と / b /, / l / と / r / の聞き分けをさせたうえで、今度は教師がそのあと音読することになる教科書の文のいくつかを、/ v / を / b / で、あるいは / l / を / r / で、などと別の音で置換して発音し、生徒に対して、発音が合っていれば
Yeah!
間違った部分を含んでいれば、
Boo!
と叫ぶよう求める、というものでした。
日頃から訓練されているので、生徒たちは見事に聞き分け、どこがダメだったかと問われれば、
You said "rife" instead of "life."
などと答えていました。
意識するようになればきちんと聞き分けられるようになる、という何よりの証拠です。
あのような、誤った音と正しい音を対比させて練習するのは、単に正しい音だけをひたすら提示する練習よりも、かならず効果的です。意識が高まるからです。
そのような consciousness raising をしたうえでその後の音読練習に入るので、音読の質ももちろん高くなります。
LもRもないような教員にはあの生徒たちの爪の垢を煎じて飲ませたいような、見事なパフォーマンスでした。