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11/10/2011

5%のヒントで、95%の自主練習を引き出す

昨日の、実習生のグルグルを見ての感想の続きです。

一般に私以外のグルグルを見ると、

一人にかける時間が長すぎる

= 一周にかかる時間が長すぎる

= 回ってくるまで他の生徒が暇そうだ

と感じることが多いです。昨日も、生徒はたった20人なのに、1周に5分もかけている場合がありました。

「もっと早く回れ」とは言うのですが、よくよく考えてみると、根本的な考えが伝わっていないかもしれませんので、書いてみます。

相手が20人で、一周にN分かかるとすると、生徒にとっては、先生が自分の前にいる時間はたったの N × 1/20 です。

それいがいの、N × 19/20  つまり、95%の時間は先生がいないのです。

ということは、5%の時間でもらった刺激によって、95%の「自学自習」が促進される、というシステムになっていないと、うまく機能しません。

私がグルグルで心がけていることはいくつもありますが、最も大切なことのひとつは、

緊張感をもたせること

一人練習のときに必死に練習していないと、どんどんおいて行かれる、という感覚を持たせること

です。

たとえば、グルグルを15分、と決めたなら、いきなり歩き出して、一人目からすぐトライすることを促します。

「もう時間始まってるぞ! パスするならしてもいいけど、どんどん自分のトライできる回数が減るだけだぞ!」

私が前に来た瞬間によそ見していたり、それから紙を見よう、とするような生徒は、棄権とみなして、さっと通り過ぎます。

「え~先生!先生! オレオレ!!」

とあとから追いすがってきても、「基本的には」相手にしません。

「もう一回やらせてください」

というのも、「基本的には」相手にしません。

それを何度かすることで、先生が来たときにすぐ先生に向かって一発で言えないとマルをもらえない、から、その「本番」にそなえて「練習」に必死になろう、という気持ちが生まれます。

同じ考え方で、生徒の発話は、必ずしも最後まで聞きません。

7語の文で、最初の単語にRが含まれていて、その単語をミスったなら、その瞬間に

「R!」 とか、その単語の正しい発音を2度ほど強調して発音してやりながら、もう足は次の生徒に向けて動かします。

こうすることで、修正のための「ヒント」だけを5%の時間であたえ、それを達成する「訓練」「自動化」は、のこりの95%の自学自習の間に達成させる、ことを目指しています。

こうやって初めて、20人の集団が緊張感をもって、練習に取り組むことができます。

自分が目の前にいるときに直してやりたい、という気持ちはよいことなのですが、我々は一対一の塾をやっているのではなく、あくまで20人、40人のクラスを相手に授業をしています。

だから、一人に向かっている時も常に、他の19人のことを、20人グルグルを相手にしているときも、つねに裏番組のライティンググループのことを考えていないと、授業としてはダラけてしまうのです。

グルグルをやるときの気持ちをもう一度、確認してください。

「95%の時間をつかって自分で一生懸命練習していないから、5%で先生が前に来たときにできないんだよ! 」

というメッセージを出すような、「ヒント」だけを短時間でテキパキと与えてゆく緊張感のあるグルグルができるようになってください。

目安としては、足は、つねに動き出す準備をしておき、できれば足を止めない。最短の場合はスルーする。

生徒が、「え~、もう次のラウンドが来ちゃったの! やばい、練習が間に合わない!」

という気持ちを持つように。

私は以前は英語科指導法で階段教室で、65名を相手に一度にグルグルをしていました。さすがに重かったですが、それでも何とか機能はしていたと思います。

20人や30人でできないはずはありません。とにかく早く歩いてください。