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6/01/2011

虎の目、竜の耳

いい授業を見た。

中学1年。

教師が生徒を睨んでいる。虎の眼だ。生徒全員の口元を観察してVの発音を正しくしているか、見ているのだ。

一斉音読の生徒全員の声に耳を澄ましている。なかにひとりでもおかしな発音をしている子がいないか、聞き分けようとしているのだ。竜の耳だ。

個人指名して読ませる際も一切妥協はしない。きちんといえるようになるまで、3回、4回、5回、「もっかい、最初から!」

それで諦める生徒はいない。教師が諦めないからだ。そして、6回目、7回目には、きちんとした音が出せるようになってゆく。Japan が言えるようになる。college が言えるようになる。college と courage の違いが言えない英語教師も決してめずらしくないのに。

教師が生徒の心をがっちりつかんでいる。生徒は教師に憧れている。

教師が高く上げた右手の指先に全生徒の注意が集まる。オーケストラの指揮者だな。

生徒はみるみるうまくなっていく。

きちんとした英語らしい発音ができるようになっていく。生徒は嬉しそうだ。楽しそうだ。楽しくないわけがない。自分が上達するのがわかるのだ。そしてまた先生が満足そうにOKと言ってくれるのが嬉しいのだ。

簡単にOKがでないからこそ、OKが出たときに歓びが大きいのだ。誰でももらえるOKじゃないからだ。

教師はリズムをとって身体を揺らす。生徒もそれを真似して腕をたたく。

机と椅子をすべて教室の中央に寄せて、グルグルが始まる。何周も何周もする。自分の番を待つ生徒は男子も女子も、大きな声で、友だちと話しながらも真面目に練習している。そしてOKをもらうと大喜びでガッツポーズだ。時折、教師は、全体に必要なフィードバックを大きな声で与える。

みるみるうまくなっている。

生徒はみんな必死で努力する。そして楽しそうだ。

準備に時間ばかりかかって益の少ない、例の「コミュニケーション活動」という名の暇つぶしなどはない。おなじ「うるさい盛り上がり」でも、なんという英語の質の違いだろう。

こういう教師に教えてもらえる生徒は幸せである。